「子どもに空手を習わせたい!」そう思っても、いろいろと不安が浮かんできますよね。
何歳から習わせて良いのか、怪我などの危険はないのか。
実際の稽古の内容や雰囲気はどんなものなのか。
この記事では、空手を子供に習わせるか悩んでいる親御さんが不安に思うようなことを、空手有段者の筆者が細かく解説していきます。
不安を解消し、空手の道場に足を運ぶハードルが下げられたら幸いです。
習い事としての「空手」とは
子どもの習い事として常に人気のある空手ですが、実際のところどんな習い事なのでしょうか。
まずは費用や危険性など、親としては心配になる点について解説してます。
空手にかかる費用は?
空手にかかる費用は主に以下のような場面で費用がかかってきます。
・道着(10000円程度)、帯(1000円程度)、サポーター代(5000円程度)
・月謝(9000円程度)
・昇給、昇段審査代(10000円程度)
・大会参加費用、遠征代(大会や遠征先による)
どんな習い事でもお金はかかりますが、空手にかかる費用は平均的です。
毎月かかる金額は10000円以下で、道着やサポーターの買い替えの時期や、審査、大会などがある月は追加で費用がかかります。
たくさん試合に出場して成績を残すことを目標とすると必然的にお金がかかるようになりますが、この辺りは空手に限ったことではないのでそこまで気にしなくて大丈夫かと思います。
空手の稽古に危険はないのか
空手の稽古の中では、殴り合い、蹴り合いをすることもあるので、親として一番心配なのは安全性ではないでしょうか。
もちろん怪我の可能性はあります。
しかし、他のスポーツや武道と比べて特別怪我が多いということはありません。
わたしは小学校二年生のころから、空手の中でも激しめな「極真空手」という空手を習っています。
10年以上選手として大会にも出場していましたが、拳の皮がむけたり、打撲をしたりと細かい怪我はあっても、骨折などの大きな怪我をしたことは一度もありません。
練習前にストレッチをしっかりして身体の柔軟性を高めたり、自分の身体を十分に支えるだけの筋力を稽古の中で身に着けて、練習中も気を抜かなければ特別大きな怪我をすることはないかと思います。
空手は何歳から習える?
空手は基本的には何歳からでも始めることがきできます。
わたしが見たことがある中での最年少は2歳(3歳になる直前でしたが)、上はいくらでもいます。
もちろん年齢によりそれに配慮した稽古内容を組んでもらえますが、道場によっては年齢制限を設けている場合もあるようです。
もし不安が残る場合は、実際に通わせたい道場の先生に「何歳から入門させて良いか」相談してみるのが良いかと思います。
子どもに空手を習わせるメリット
実際に小学生の頃から空手を習ってきた筆者が感じているメリットを紹介します。
礼儀作法が身に着く
空手は武道なので、道場に通う中で礼儀作法については厳しくしつけられます。
親や学校の先生以外の大人と接してしつけてもらえる機会は、武道以外にはなかなかなかったように感じるので、良い経験だったと感じます。
わたしが小学生の頃は人見知りが酷く、大人と会話するときはなかなか発言ができずにうなずいたり首をかしげてしまうことが多かったのですが、空手の師匠に何度も注意してもらい、きちんと敬語を使って会話をすることができるようになりました。
また、挨拶や返事などの際の声の大きさやお辞儀の角度、これらも身体に沁みついています。
社会人になり、新入社員訓練を受けた際に習った内容は、ほとんど空手の道場で子供の頃に教わった内容でした。
礼儀作法がきちんと身についていると、大人になったときも「最近の若い子は~」などと小言を言われる機会も少なかったので、ためになったなと感じます。
身体も心も鍛えられる
空手は厳しい鍛錬で体を鍛えるイメージが強いかと思いますが、心も鍛えることができます。
武道は「心・技・体」という言葉があるように、身体だけでなく、心も鍛え、同時に技を磨きます。
武道の稽古では、当たり前のことや基本的なことを積み重ねていくことばかりです。
派手な稽古をしているだけでは強くなれないので、地味できつい練習を繰り返すことで、精神的にも強くなれるのです。
継続的に努力する癖も出来るので、それも大きなメリットです。
痛みを知ることができる
空手は特別危険な競技ではないと書きましたが、もちろん稽古の中で痛い思いをする場面は何度もあります。
痛みを知るからこそ、人を殴ったら、殴られたら、どれだけ痛いのかを身を持って実感できるので、簡単に人を傷つけるようなことはできなくなるのです。
「空手を習わせると暴力的にならないか不安」という話を聞いたことがありますが、筆者としてはむしろ逆で、優しい子に育つと思います。
空手道場ではどんな稽古をするの?
経験者でない限り、空手の稽古で実際にどんなことをしているのか全く想像がつかないと思います。
ここからは、空手の稽古の内容について詳しく解説していきます。
筋トレ・ストレッチ等の体作り
稽古の前後には準備体操、整理体操として念入りにストレッチをします。
空手は全身を激しく使う競技なので、身体が硬直してしまっていると怪我にも繋がります。
また、筋トレで基礎的な身体の強さを鍛えておくことも大切です。
これらは稽古の時間内に行うこともあれば稽古の前後に自分で行う場合もあります。
地味ですが、怪我をしない、強くてしなやかな体つくりの為に最も重要な練習内容です。
基本稽古
空手には基本稽古という稽古があります。
これは空手の基本動作を練習する稽古で、決まった立ち方、技の出し方を、決まった回数繰り返します。
筋トレやストレッチと同様にかなり地味ですが、そのわりにきついです。
しかし全ての動作の基本となる動きができていないと、空手という武道が身に付きません。
そのため、どの道場でも必ず基本稽古をする時間は取られています。
型
型とは、実在しない相手と戦うことを想定しながら、受け技・攻撃技を繰り出し演舞をするものです。
オリンピックなどでも話題になったため、テレビで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
型も基本稽古と同様に、決まった動作を繰り返す練習となるため、自分との戦いの練習になります。
また、型には大会もあるため、型の練習が好きな子どもにとってはやりがいになるかもしれません。
組手
組手は、実際に戦う練習です。空手の稽古の中では最も派手で、競技としても花形なので、見ている側もやっている側も楽しいです。
相手との間合いを計って攻撃したり、空気を読んだり、技の組み合わせを工夫したりと、さまざまなことを考えながら戦います。
また、組手の強化のために、ミット打ちやサンドバック等を使った練習もします。
たくさん頭と体を使って実際に強くなっていく感覚は、自信にも繋がるでしょう。
まとめ
習い事としての空手の実際を詳しく解説しました。
この記事で空手の魅力が伝わり、子どもに空手を習わせる不安が解消されたり、ハードルが下がっていたら嬉しいです。
空手に興味を持っていただけた方は、せひお近くの道場にまずは見学に行ってみてくださいね。