少林寺拳法【帯の結び方 】と【道着の着方】を有段者が分かりやすく解説!

少林寺拳法を始めた方は、「道着をうまく着るにはどうすればいいの?」「うまく帯を結ぶにはどうしたらいいの?」など悩むことがあるでしょう。実際、慣れるまでは道着を着るのに時間がかかります。
また、帯がゆるんだり、おかしな方向へ向いたり、うまく行かないことがたまに起こるのは私も経験済みです。
このコラムでは、少林寺拳法有段者の筆者が、「道着の着方」および「帯の結び方」を徹底解説します。
帯の結び方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

額田善之

少林寺拳法弐段の有段者。
武道の疑問を解決する記事を書くので、ぜひ参考にしてください。
なお、武道だけでなく、旅行や納豆の記事も執筆中。
個人ブログ『納豆ジーン』はこちら

少林寺拳法の修行に欠かせない道着と帯

少林寺拳法の道着は他の武道(空手や柔道など)と同じく、動きやすくて破れにくい生地で作られています。少林寺拳法の修行では、袖を「引っ張る」「掴む」、「相手を投げる」などの動きが多くなるため、道着に大きな負荷がかかるのです。そのため、破れたり伸びたりする一般的な洋服、体操服やジャージではなく、丈夫な道着と帯が必要となります。

少林寺拳法の修行に道着と帯が欠かせない理由

少林寺拳法の修行では襟や袖を掴んで引っ張る動作や、袖ごと腕や手首をきめる関節技があります。そのため、道着に大きな負荷がかかり、普通の衣類では破損が起きたり、ケガにつながったりする恐れがあります。つまり、少林寺拳法の修行には、丈夫な布製の道着が必要になるのです。
また、ベルトなど金具などが付属する固定具を使うと、修行中にケガをする危険性があるため、丈夫な布製の帯が必要となります。
道着と帯という日本古来の和装は、耐久性とケガ予防を両立できる優れた組み合わせなのです。

なお、少林寺拳法について詳細にまとめたコラムはこちらとなります。
また、少林寺拳法の発祥について詳細にまとめたコラムはこちらです。

少林寺拳法の道着

画像引用:https://www.ozaki-sk.co.jp/product/dogi09j.html https://www.ozaki-sk.co.jp/product/hoi01j.html

柔軟性に富んだ布製が一般的ですが、最近は「軽さ」「乾きやすさ」「吸水性の高さ」「風通しのよさ」などを考慮して、ポリエステルなどの素材を含む繊維で作られたものも出ています。以下に少林寺拳法の公式道衣を製造販売する「株式会社オザキ」の商品を紹介します。なお、道着や法衣には別途、帯が必要です。

【ゴールドラベルプラス】

 ・上級者向け道衣(最上位モデル)

 ・綿70% ポリエステル70%の生地に防縮加工および抗ウイルス加工を施したもの。

 ・17,500~31,900円(サイズによって異なるが、取り扱いのないサイズが多い)

【ブラックラベルプラス】

 ・子どもから大人まで豊富なサイズがある汎用道衣

 ・綿100%の生地(別織帆布)に防縮加工および抗ウイルス加工を施したもの。

 ・10,500~25,450円(サイズによって異なる)

【ホワイトラベルプラス】

 ・薄手で柔らかい生地の豊富なサイズがある初心者向き道衣

 ・綿35% ポリエステル65%の生地(綾織り地)に抗ウイルス加工を施したもの。

 ・7,600~11,450円(サイズによって異なる)

【シルバーラベル】

 ・純銀の糸を使用した抗菌防臭効果のある軽量道衣

 ・綿50% ポリエステル50%の生地(スリット糸に純銀の糸:ミューファンを使用)。

 ・7,600~11,450円(サイズによって異なる)

【法衣】

 ・演武の激しい動きにも対応

 ・ポリエステル100%の生地

 ・23,450~29,050円(サイズによって異なる)

上記価格は税込みです。

少林寺拳法の帯

画像引用:https://www.ozaki-sk.co.jp/obi/index.html

少林寺拳法の帯は、級や段によって色が変わるため、昇級や昇段のタイミングで何度か買い直しが必要です。なお、サイズや幅、色によって価格が異なります。また、名前などの刺繍代(1文字あたり250〜340円)もかかります。以下に少林寺拳法の公式道衣を製造販売する「株式会社オザキ」の商品を紹介します。

【法衣帯】

法衣着用時に必要な帯(290~355cmで8,450円)

【黒帯】

表地は綿100%

・黒帯:スタンダードモデル、幅40mm(210~350cmで1,820~2,400円)

・上製帯:肉厚モデル、幅42mm(230~350cmで3,1000~4,000円)

・特製黒帯:こだわりモデル、幅45mm(250~350cmで4,450~5,900円)

・幅広帯:体格がよい人用モデル、幅50mm(250~350cmで4,850~6,300円)

なお、三段以上の高段者が任意で着用できる「資格別特注帯」もあります(250〜350cmで6,850〜11,100円)。

【白帯】

表地は綿ポリ混紡、40mm幅のみ(185~350cmで1,290~1,900円)

【黄帯】

表地は綿100%、40mm幅のみ(185~350cmで1,480~2,140円)

【緑帯・茶帯】

表地は綿100%40mm幅のみ(185~350cmで1,550~2,250円)

上記価格は税込みです。

少林寺拳法の道着の着方と帯の結び方

少林寺拳法では、特に公式な道着の着方や帯の結び方は規定されてはいませんが、帯の結び方については、大きく分けて「初心者向け」と「上級者向け」の2種類があります(微妙なところは違う場合もあります)。
なお、日本人としての基本的な着衣の仕方として、道着の上着は着物と同じで「右前」となります。
勘違いされる人もまれにいますが、「右前」とは「右手に持った襟を最初に身体に着けるという意味」です。つまり、右襟を下にして左襟が上になるように着れば問題ありません。
ただし、大会では服装規定があります。

道着(ズボン)のはき方

下の道着(ズボン)のヒモは大人でも緩むため、子どもではかなり緩んでいることもあります。しっかりと締めて、ヒモの端っこは最後に上手にまとめましょう。

少林寺拳法ズボンのヒモ

まず、ヒモをぎゅっと引っ張り、真ん中の輪に通す(①〜②)。ヒモをねじれさせないようにして、1回結びます(③~⑤)。

次に、真ん中の輪のところで、ちょうちょ結びをします(⑥~⑧)。

最後に、左右のちょうちょの羽根としばったヒモを左右それぞれにしばったヒモに折り返して通す(⑨)。

これで、ヒモがほどけにくくなります。

ズボンのヒモの部分が長すぎて垂れていると、見た目が悪く、指導を受けます。格好が悪いうえに、ヒモがほどけやすくなるため、必ず、腰の周りに巻いたヒモの部分に折り込んで(巻きつけて)、垂れ下がらないようにしてください。

道着(上着)の着方

道着の上着は右前に合わせ、帯を締めます。帯の巻き方については、「初心者向けの簡単な巻き方」と「上級者向けの綺麗な巻き方」の2種類を紹介します。

帯の巻き方と結び方(初心者向け)

初心者向けの帯の巻き方を解説します。

帯巻き方(初心者向け)

まず、帯を真ん中で二つ折りにします(①)。次に、真ん中の部分をへそに当て(②)、左右から帯を回すと、左右の帯の長さが揃います(③)。
へそのところ(④)で、左の帯の端を下から上にまわし、帯の内側を通して(⑤)右に引くと、帯が緩まずに巻けます(⑥)。ここで、左右の帯の端だけで一重縛りをすると、そこだけが緩んでくるため、気をつけましょう。

帯の結び方2

次に、左に出ている帯の端を上にし(⑦)右下に出ている帯の端を下から回して帯を締める(⑧)と綺麗に帯を結べます(⑨)。

帯の結び方注意点

この時、帯の端の結び方が逆になると縦向きの結び目になる(⑩)ため注意しましょう。
この巻き方だと、背中側の帯が交差してしまいますが、楽なので初心者向けです。

帯の巻き方と結び方(上級者用)

上級者用の帯の巻き方は少し長さ調整が必要になりますが、仕上がりが美しいです。

帯の結び方(上級者向け)

まず、帯の端を右腰に当て(⑬)、左周りで2週回します(⑭)。帯がほどけないように仮止めしてください(⑮)。この時、左右の帯の端の長さが揃っていなければ(⑯)、仮止めを外し、帯の長さを調整しましょう(⑰)。

初心者向けと同じように帯を結びましょう(⑱~⑳)。

この巻き方であれば、背中の帯の交差がなくなり、見た目も綺麗になります(21)。

帯が緩まず、綺麗に見える帯の結び方があるので、紹介します。

右下に出ている帯の端を上から、2重になっている帯の間に通します(22)。そのまま下へ引くと帯がスッキリします。また、左下に出ている帯の端を上から、2重になっている帯の間に通します(23)。そのまま下へ引くと、スッキリした印象となり、帯が緩まなくなるのでお勧めです。
少し、慣れとテクニックが必要になります。

大会での道着の規定

道着は日頃の道場などの鍛錬や修行時においても、だらしなく見えないような着方をしなければなりません。
また、大会では正しく道着を身に付けるだけでなく、技の出来栄えを採点するため、道着の着用ルールがあります。

中学生/高校生の大会参加時の着用ルール

大会では以下のような道着の着用ルールがあります。服装規定違反の場合は、出場が認められません。

・道衣・帯は少林寺拳法公認のものとし、体格に応じたものを着用する。
・極端に太いズボンは着用しない。
・清潔感に留意し、汚れがひどい道衣は着用しない。 
・ 道衣の袖や裾をまくりあげないこと。 
・上着の袖は「手首と肘の中間」、ズボンの裾は「足首と膝の中間に」位置すること。 
・一般(中学生以上)の袖及び裾の長さについては、直立で手を真っ直ぐ下ろした状態でそれぞれの関節中央部から計測する。
 袖の位置:手首の関節から上に5cm以上、肘から下に10cm以上とする。
 ズボンの裾:くるぶしから上に10cm以上、膝から下に10cm以上とする。
・中学生以上の男性拳士は原則として道衣の下にシャツを着用しない。
・女性が道衣の下にシャツ を着用する場合は、色は白色(※指定のワンポイント入り可) とし、見苦しくないようにする。

まとめ

寒いため、中に長袖シャツを着ていますが、道場ではご法度です。


道着を着て、帯を締め、心も身体も引き締めて修行に臨むことが大切です。きちんとした人として、また、リーダーとして生きるためには、服装も正しくなければなりません。
このコラムでは、少林寺拳法の修行に必要な道着と帯の説明と、正しく身につけるための基本をお伝えしました。
綺麗に帯を結べると嬉しいですよ。

ぜひ、参考にして少林寺拳法を楽しく学んでくださいね。

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