世の中にはたくさんの武道や武術があります。メジャーなものから初めて聞くものまで、多種多様な武道や武術があり過ぎてどれを習うか迷うことでしょう。
このコラムでは、珍しい武道を厳選して紹介します。武道を始めたい人や珍しい武道に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いた人
少林寺拳法弐段の有段者。
武道の疑問を解決する記事を書くので、ぜひ参考にしてください。
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日本の武道について
現在、日本武道協議会によって日本で武道と認定されているものは以下の9つです。
- 柔道
- 剣道
- 弓道
- 相撲
- 空手道
- 合気道
- 少林寺拳法
- なぎなた
- 銃剣道
なお、これ以外にも、日本古来の古武道に由来する武道や新しく生まれたものが存在します。
以下にいくつか紹介しますが、細かく流派が分かれているものもあり、分類はかなり複雑です。
- 居合道
- 抜刀道
- 日本拳法
- 七帝柔道(ななていじゅうどう、しちていじゅうどう)
- 新体道(しんたいどう)
- 護道(ごどう)
- 躰道(たいどう)
- 空道(くうどう)
- 相生道(そうせいどう)
- 短剣道
- 杖道(じょうどう)
武道の定義や理念と習うメリット
日本武道協議会が制定した武道の定義と理念をまとめ、得られるメリットについて記載します。
武道の定義
武道とは、武士道の伝統に由来する日本で体系化された武技の修錬による心技一如の運動文化です。
柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道の総称が現代武道となります。
武道の理念
武道の理念は、武道を修錬して心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養うことです。
武道では、国家や社会の平和と繁栄に寄与する人間形成の道として修行を行ないます。
武道を習うメリット
武道の習うメリットは、身体と心を鍛えることができることです。そのため、護身術だけでなく、人格形成にも役立ちます。
また、姿勢がよくなり、礼節をわきまえる人間になれることです。
古武道と現代武道とは?
武道、武術、武芸という定義は明治維新後に付けられたものです。
そのため、明治維新前からあった武道や武術を「古武道」と呼び、明治維新以降につくられた武道を「現代武道」と呼ぶようになりました。
古武道とは
古武道は武士に必須の敵を殺すための戦闘技術であり、室町時代には体系化されていました。
現代武道とは
現代武道は、競技性と人間形成を兼ね備えた格闘技といえるでしょう。古武道から発展したものが多く、柔道は柔術から、弓道は弓術から体系化されました。
珍しい武道にはどんなものがある?
なぎなたや居合道などは耳にすることがあるでしょう。
しかし、銃剣道、日本拳法、躰道、空道、相生道、杖道などは初めて聞いたという人がほとんどかもしれません。
以下に、厳選していくつかの珍しい武道を紹介します。
珍しい武道を厳選して紹介
ここで紹介する珍しい武道は、日本拳法、太極拳、銃剣道、居合道、躰道、なぎなたの6つです。なかなか修行できそうにない、あまりにマニアックなものは省きました。
日本拳法
日本拳法は澤山宗海氏が昭和7年に立ち上げた、安全に配慮した日本で初めて防具を付けて修行を行なう拳法です。
防具装着により、型だけでなく突きや蹴りなどのすべての実戦練習が可能となり、乱稽古を行う修行もできます。
防具の規格が厳密に定められており、安全に配慮した修行ができるため、子どもでも安心して練習ができるでしょう。
太極拳
太極拳は中国で生まれた歴史ある拳法で、相手を倒す武術ではなく、健康維持やスポーツとして広く知られています。
ゆっくりとした動作で行う全身運動を子どもからお年寄りまで無理なく行えるため、中国では大人気です。
日本でも近年、人気が高まっており、介護予防体操も生み出されています。
「太極拳技能検定制度」があり、楽しく練習できることも人気の秘密でしょう。
銃剣道
銃剣道(じゅうけんどう)はフランス式銃剣術に槍術の技法を取り入れた現代武道です。
木銃(もくじゅう)を用いて、槍術の「突き技」のみで相手の喉や胴へ突く技を競い合います。
突き技は危険であるため、防具を着けて修行する武道です。
敗戦後に禁止令が出て一時は廃れましたが、昭和31年に全日本銃剣道連盟が発足し、競技性と精神修養を兼ね備えた武道として再出発し、現在に至ります。
居合道
居合道は日本刀の操法に由来する武術が発展してできた、日本のみに存在する珍しい武道です。
なお、抜刀の一瞬で勝負が決まる居合術を由来とする居合道では心身の修行が不可欠であり、剣道と表裏一体の関係であるといえます。
多くの流派がありますが、ルールが規定されたことで全国規模の試合も行われるようになりました。
演武として流派の型を披露し、その出来栄えを判定する試合方式です。
剣道のような激しさはなく、老若男女を問わず修行できます。
躰道
躰道(たいどう)とは、祝嶺正献氏が空手を母体として編み出した現代武道です。
体軸の変化により攻防を展開する武道であり、攻撃を受け止めずかわすことで身体を守る護身術として発展を遂げてきました。
旋体・運体・変体・捻体・転体という5つの動作からなる「操体」と呼ばれる基本動作を学び、その型の出来栄えを演武で競い合います。
実は、世界的に普及している武道です。
なぎなた
薙刀(なぎなた)は鎌倉時代から室町時代にかけて発達した古武道です。
しかし、槍に取って代わられ、戦場での重要性が失われました。
江戸時代には家を守るための武術として女薙刀が発展し、昭和に入ると体系化され、現代武道となっています。
2.2mほどの長さの競技用なぎなたか薙刀の木刀を用いて修行を行い、防具を身に着けて競技試合を行う武道です。
剣道や銃剣道のような先取制の試合と型を披露する演武競技があります。
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銃剣道や居合道などの珍しい武道について紹介しましたが、空手や剣道、少林寺拳法などのメジャーな武道もあります。
武道は心と身体を鍛えることが理念であるため、武道の修行により健全な身体と心が育ちます。
また、護身術も見につくことも大きなメリットです。
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