柔道の帯の色は何色あるか知っていますか?
黒帯があることは知ってるけれど、それ以外に色があることさえ知らない方もいるかもしれませんね。
帯の色は10色あります。柔道の帯の色は10色あります。
また、少年期でしかつけられない帯の色や、青年期でしかつけることのできない帯の色があるのです。
また、帯の色は「段」や「級」によって変わります。
この記事では、帯の色や仕組み、昇段・昇級のルールを日本柔道連盟や講道館のルールを引用しながら詳しく解説しています。
この記事で、昇段・昇級や帯の色の意味を知り、柔道での目標を見つけるきっかけにしてください。
この記事を書いた人
2歳で柔道を始め、大学まで柔道に関わってきました。柔道だけではなくスポーツ全般の記事を書くことが得意です。また、教育関係・医療関係にも携わっています。
柔道の帯の色とランクはどうなってるの?
柔道の帯の色は、全部で10色あり、級と段で分かれています。
帯の色と級・段
- 白 無級・無段
- 水色 七級、六級
- 黄色 五級
- オレンジ 四級
- 緑 三級
- 紫 二級
- 茶 一級
- 黒 初段、一段、二段、三段、四段、五段
- 紅白 六段、七段、八段
- 赤 九段、十段
黒帯は、柔道の創始者の嘉納治五郎が「あの選手みたいに強くなりたい」という気持ちを持つきっかけになると考え、実力がある人はたくさん練習して帯が汚れるということから帯を黒くしました。
また、女性と男性を区別する言い合いで、帯に白線が入るということもありました。
このようなことから、一般的には帯の色は強さを表すと言われています。
以上のことから、帯に色がつき始めたのですが、帯の色にも様々なルールが存在します。
以下で詳しく見ていきましょう。
少年でつける帯の色
少年とは、14歳未満の子どもたちのことを指します。
14歳までにつけることができる帯の色は7色あります。
少年でつける帯の色
- 白 無級、無段
- 水色 七級、六級
- 黄色 五級
- オレンジ 四級
- 緑 三級
- 紫 二級
- 茶 一級
以上が、講道館で定められている少年がつける帯の色です。
地域で一色だけ違ったりということはありますが、概ねこのような色になっています。
見てわかる通り、階級によって色が変わっているのです。
階級は、数字が小さくなればなるほど強くなっていきます。
少年柔道は、階級別に試合を組むため階級がわかるようになっています。
そのため、少年の帯の色は強さや実力差で分かれているのです。
青年でつける帯の色
柔道で、14歳以上は青年と認められます。
14歳以上でつける帯の色は5色となっています。
14歳以上でつける帯
- 白 四級以下
- 茶色 一級、二級、三級
- 黒 初段、一段、二段、三段、四段、五段
- 紅白 六段、七段、八段
- 赤 九段、十段
以上が講道館で定められている青年がつける帯です。
成年は、初段以上の段位が取得できるようになります。
少年の年齢から柔道をしている場合、14歳以上になると14歳以下でどんな色の帯を持っていたとしても改めて帯の色を割り振られるのです。
青年の段位では、数字が大きくなっていくほど強くなっていき、体重別に試合を組みます。
青年の帯の色は、強さと柔道への貢献度で分かれています。
どうしたら帯の色が上がっていくの
柔道では、昇級・昇段試験というものがあります。
この試験は、「級」や「段」を上げるために行うものです。
この試験に受かると帯の色を変えることができるのです。
ただ、各級や段で試験内容や修行年数が決まっています。
では、どうしたら昇級・昇段できるのか詳しく見ていきましょう。
少年の昇級基準
少年は、「段」を取れませんが、一級までの昇級ができます。
その理由は、講道館が初段を取れる最年少が14歳と定めているからです。
そのため、最高位の帯の色が茶色になっています。
昇級試験では、多くの審査員に見られ、自分が行わないといけないことを忘れてしまったり、頭の中が真っ白になるほど緊張することがあります。
審査員に見られるポイントだけでも覚えていられるよう、何に力を入れると昇級ができるかを確認していきましょう。
昇級の基準
七級
- 昇級できる最小学年 小学1年生
- 最小修行月数 6ヶ月
- 基礎知識 講道館柔道の歴史、礼法、柔道衣の着脱、所作
- 基本動作 姿勢、組み方、進退動作、体捌き、崩し、作り、掛け
- 受け身 安全に受け身ができる
- 投技、固技 出足払、膝車、大腰、袈裟固、崩袈裟固
六級
- 昇級できる最小学年 小学1年生
- 最小修行月数 3ヶ月
- 基礎知識 講道館柔道の歴史、礼法、柔道衣の着脱、所作
- 基本動作 姿勢、組み方、進退動作、体捌き、崩し、作り、掛け
- 受け身 安全に受け身ができる
- 投技、固技 出足払、膝車、大腰、袈裟固、崩袈裟固 など
五級
- 昇級できる最小学年 小学2年生
- 最小修行月数 3ヶ月
- 基礎知識 講道館柔道の歴史、礼法、柔道衣の着脱、所作
- 基本動作 姿勢、組み方、進退動作、体捌き、崩し、作り、掛け
- 受け身 移動して安全に受け身ができる
- 投技、固技 釣込腰、送足払、支釣込足、大内刈、背負投、大外刈、
上四方固、横四方固 など四級
- 昇級できる最小学年 小学2年生 最小修行月数3ヶ月
- 基礎知識 講道館柔道の歴史、礼法、柔道衣の着脱、所作
- 基本動作 姿勢、組み方、進退動作、体捌き、崩し、作り、掛け
- 受け身 移動して安全に受け身ができる
- 投技、固技 釣込腰、送足払、支釣込足、大内刈、背負投、大外刈、
上四方固、横四方固 など三級
- 昇級できる最小学年 小学3年生
- 最小修行月数 3ヶ月
- 基礎知識 講道館柔道の歴史、礼法、柔道衣の着脱、所作
- 基本動作 姿勢、組み方、進退動作、体捌き、崩し、作り、掛け
- 受け身 乱取や試合のどんな場面においても安全に受け身ができる
- 投技、固技 小内刈、小外刈、体落、内股、払腰、崩上四方固
肩固投技の連絡変化、抑込技の連絡変化 など二級
- 昇級できる最小学年 小学4年生・最小修行月数3ヶ月
- 基礎知識 講道館柔道の歴史、礼法、柔道衣の着脱、所作p
- 基本動作 姿勢、組み方、進退動作、体捌き、崩し、作り、掛け
- 受け身 乱取や試合のどんな場面においても安全に受け身ができる
- 投技、固技 小内刈、小外刈、体落、内股、払腰
崩上四方固、肩固 投技の連絡変化、抑込技の連絡変化 など一級
講道館ー KODOKAN JUDO
- 昇級できる最小学年 小学5年生
- 最小修行月数 3ヶ月
- 基礎知識 講道館柔道の歴史、礼法、柔道衣の着脱、所作
- 基本動作 姿勢、組み方、進退動作、体捌き、崩し、作り、掛け
- 受け身 乱取や試合のどんな場面においても安全に受け身ができる
- 投技、固技 縦四方固、各種技の連絡変化 など
以上のように昇級の条件が定められています。
帯の色を一つあげようと思ったら、昇級試験を受けて合格しないといけないのです。
青年の昇級基準
青年は昇級が三級からしかなく、「段」をとれます。
また、帯は三級以上を持っている人は茶色帯から、三級を持っていない人は白帯から始まります。
成人は、修行年数が長くなっているのが特徴です。
修行年数は前の級や段での成績で「秀」「優」「了」「可」で評価され、その成績で年数が変わります。
また、青年の帯の色は強さの現れではありません。
柔道に対する貢献度が大きく関わり、強さだけでは昇段できないのです。
昇段の基準
初段
- 評定される形
投の形のうち手技、腰技、足技- 試合成績と修行年数
無段における得点・年限
秀・・大会成績:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会、オリンピック競技大会柔道競技、3位以上
修行年数:定められていない
優・・大会成績:10点以上
修行年数:定められていない
了・・大会成績:6点以上
修行年数:1年以上
可・・大会成績:3点以上
修行年数:1年半以上二級
- 評定される形
投の形- 試合成績と修行年数
初段における得点・年限
秀・・大会成績:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会、オリンピック競技大会柔道競技、3位以上
修行年数:半年以上
優・・大会成績:10点以上
修行年数:1年以上
了・・大会成績:6点以上
修行年数:1年半以上
可・・大会成績:3点以上
修行年数:3年半以上三級
- 評定される形
固の形- 試合成績と修行年数
二段における得点・年限
秀・・大会成績:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会、オリンピック競技大会柔道競技、3位以上
修行年数:1年以上
優・・大会成績:10点以上
修行年数:1年半以上
了・・大会成績:6点以上
修行年数:2年以上
可・・大会成績:3点以上
修行年数:4年以上四段
- 評定される形
柔の形- 試合成績と修行年数
三段における得点・年限
秀・・大会成績:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会、オリンピック競技大会柔道競技、3位以上
修行年数:1年以上
優・・大会成績:10点以上
修行年数:2年以上
了・・大会成績:6点以上
修行年数:3年以上
可・・大会成績:3点以上
修行年数:5年以上五段
- 評定される形
極の形- 試合成績と修行年数
四段における得点・年限
秀・・大会成績:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会オリンピック競技大会柔道競技、3位以上
修行年数:1年半以上
優・・大会成績:10点以上
修行年数:2年以上
了・・大会成績:6点以上
修行年数:4年以上
可・・大会成績:3点以上
修行年数:6年以上六段
講道館ーKODOKAN JUDO
- 評定される形
講道館護身術- 試合成績と修行年数
五段における得点・年限
秀・・大会成績:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会オリンピック競技大会柔道競技、3位以上
修行年数:5年半以上
優・・大会成績:10点以上、 高段者大会で16点以上、選抜された大会と高段者大会の合計点数が16以上
修行年数:7年以上
了・・大会成績:6点以上
修行年数:9年以上
可・・大会成績:3点以上
修行年数:12年以上
七段
- 現段位前の試合成績
五段における全国高段者大会、 地区高段者大会、都道府県高段者大会、その他の全国規模の高段者大会- 現段位における試合成績
全国高段者大会、地区高段者大会、その他の全国規模の高段者大会(年1試合まで)、可の評定に限り府県高段者大会(及び同等)- 形
五の形- 修行年数
秀:6年以上 優:9年以上 了:12年以上 可:15年以上- 審判
秀:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会、オリンピック競技大会柔道競技の審判員で、優秀であること。
全日本柔道連盟公認審判員Sライセンスを持っている者で、優秀であること。
優:全日本柔道連盟公認審判員Aライセンスを持っている者で、優良であること。
了:全日本柔道連盟公認審判員Bライセンスを持っている者で、良好であること。
可:全日本柔道連盟公認審判員Cライセンスを持っている者で、良好であること。
全国、地区若しくは府県の高段者大会又は講道館紅白試合若しくは月次試合の審判員で、良好であること。- 指導実績
秀:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会又はオリンピック競技大会柔道競技で3位以上の成績の選手を育成したこと。
全日本柔道連盟の強化委員・コーチとして指導経験があること。
講道館・全日本柔道連盟で、柔道の技術、形、審判、指導法等の講習会の講師として指導したこと。
優:全日本柔道選手権大会、世界柔道選手権大会、オリンピック競技大会柔道競技に出場した選手を育成したこと。
全国大会、全日本柔道連盟に出場し国際大会において3位以上の成績をあげた選手や団体を育成したこと。
都道府県以上の連盟で、柔道の技術、形、審判、指導法等の講習会の講師として指導したこと。
国内外において、専門的に指導し、実績をあげたこと。
了:各種全国大会、全日本柔道連盟に選考され、各種国際大会に出場した選手や団体を指導したこと。
都道府県以上の大会において相当な成績をあげた選手・団体を育成したこと。
長年にわたり警察、学校、会社、道場その他において指導していること。
可:警察、学校、会社、道場その他において指導した経験があること。- 柔道に尽力した功績
総合的に検討・評定する。八段
講道館ーKODOKAN JUDO
- 現段位前の試合成績
六段における全国高段者大会、地区高段者大会- 現段位における試合成績
七段における全国高段者大会、地区高段者大会- 形
古式の形- 修行年数
秀:9年以上 優:12年以上 了:15年以上 可:18年以上- 審判
※七段と同様- 指導実績
※七段と同様- 柔道に尽力した功績
総合的に検討・評定する。
以上のような昇段の条件が定められています。
九段、十段に関しては、全日本柔道連盟の方や講道館の方に記載されていませんが、八段より高い昇段の条件が定められている可能性があります。
また、十段は、1882年に柔道が創設されてから2021年3月時点で15名しかいないそうです。
六段以上は、取得が難しいため、記念的な役割だそうです。
オリンピックの選手が黒帯なのはなぜ?
オリンピックの選手は、初段から五段までの選手がほとんどです。
なぜなら、六段からは取得最小年齢が上がるからです。
体力的なことを考えると、若い年齢の方が体力はあります。年齢を重ねるごとに体が老化していき、呼吸機能や肺活量などが衰えるため、体力の低下につながります。
また、スポーツのパフォーマンスのピークは20代と言われており、オリンピックは強さが順位として現れます。
体の機能がピークに達するのが20代のため、体を酷使するスポーツの最高なパフォーマンスができるのが20代なのです。
そのような、人間の生体学・スポーツ科学・試合環境を考えると、初段から五段までの黒帯で出場する選手が多くなります。
段取得最小年齢
- 初段(黒) 14歳以上
- 二段(黒) 14歳以上
- 三段(黒) 14歳以上
- 四段(黒) 14歳以上
- 五段(黒) 20歳以上
- 六段(紅白) 27歳以上
- 七段(紅白) 33歳以上
- 八段(紅白) 42歳以上
- 九段(赤)
- 十段(赤)
柔道の帯の色と強さの関係
少年の「級」では帯の色と強さは比例します。
級の数字が小さくなればなるほど、強いという証になっています。
14歳以下(少年)の帯の色と強さ
- 白 無級、無段 弱い
- 水色 七級、六級
- 黄色 五級
- オレンジ 四級
- 緑 三級
- 紫 二級
- 茶 一級 強い
青年の「段」では、帯の色と強さは比例しません。
その理由は、年齢や体力的なことで黒帯の方と赤帯の方が戦っても、黒帯の方が勝つことがあります。
また、黒帯の方の中にもオリンピックのメダリストがたくさんいる可能性が高いです。
そして、紅白帯や赤帯は、柔道への功績や一流審判としての力、指導力が昇段の条件に入っています。
ただ、強いだけではなく総合的に判断しているため、強さと帯の色は比例しないのです。
まとめ
ここまでの内容で、柔道の帯について詳しく説明してきました。
柔道の帯の色は全10色があり、一番上の色は赤色ということや、少年の「級」と青年の「段」とでは帯の色が違うこと、帯の色は強さを表す場合やそうじゃない場合があるということを説明してきました。
それとともに、何をどうしたら「級」や「段」が上がり、帯の色が変わるのかを紹介しています。
この記事を読んで、今後の指導に生かしてもらったり、昇段や昇級のヒントになってもらえれば嬉しいです。
また、練習へのモチベーションが下がっている方の目標を見つけるきっかけになれると嬉しいです。
この記事に書いてある以上のことが知りたい、もっと学びたいと思う方は、是非柔道教室に通ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。