皆さん、オリンピックの中継で柔道と空手を見たことありますか?
では、空手と柔道は何がどう違うのか説明できるでしょうか。
本記事では、柔道と空手をルールや技、道着、メリット、デメリットなどの観点から比較し、柔道に向いている人・空手に向いている人の特徴をまとめています。それぞれの特徴や魅力を知ったうえで、納得感のある選択ができるよう、最後まで読んでみてください。
この記事を書いた人
2歳で柔道を始め、大学まで柔道に関わってきました。
柔道だけではなく、スポーツ全般の記事を書くことが得意です。
また、教育関係や医療関係にも携わっています。
空手と柔道の違いをルールや技、道着から解説
同じ武道というくくりの中でも、空手と柔道は全く違う競技です。
まず、発祥や、歴史が全く違います。
空手は琉球王国で平民の嗜みとして発達しました。そして、沖縄から全国へ広まっていきました。
柔道は、加納治五郎が興し、各流派の良いところを集め一本化したことがきっかけです。
こうした発祥や歴史の違いから派生して、両者には技や道着などにも違いがあります。それぞれの特徴を細かくみていきましょう。
空手ってどんな競技
空手は正式には空手道といい、足による打撃技を特徴とする武道です。
競技には、「型」と「組手」があり、「型」は、技を正確に演じる競技です。
「組手」は、1対1で相手と向き合い、実際に技を掛け合う競技です。
空手道には様々な流派がありますが、空手を通じて自分を磨き、道を極めるという考え方は共通しています。
技には、「突き」「蹴り」「崩し」があり、「崩し」は相手のバランスを崩す技です。
技を人に当てる「極真空手」と、寸止めする空手とがあります。
また、柔道と同じ道着を着ているように見えますが、空手着は薄く柔らかい生地で出来ていて、動きやすく、価格が比較的安いです。
柔道ってどんな競技
柔道は、日本の国技ともいわれていて、オリンピック競技に毎回選ばれています。
競技では、1対1でお互いに技を掛け合います。
4分間の中で、ポイントを積み上げていき、終了時に多くポイントを獲得した方が勝利です。ポイントには「一本」と「技あり」があり、審査員が判定します。
技には、「投げ技」「固め技」「絞め技」「関節技」があります。
事故に直結する技が多いため、一番大事になる技が「受け身」です。
柔道着は相手と組むため、激しい技に耐えられるよう丈夫に作られています。
そのため、空手道着より厚く、価格は高めです。
また、白色と青色の2色で展開されています。
柔道にも空手と同様、自分を磨き、極めていくという考え方があります。ただし、柔道には相手を敬う気持ちを体現した「礼法」が昔から受け継がれており、古くから使われてきた礼法や競技に向かうために心を表す動作などの日本の文化を学べます。
柔道と空手のメリット・デメリット
空手と柔道の両方に必ずメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットを見て、自分に向いているなと思える競技を見つけていきましょう。
空手のメリット・デメリット
空手道のメリット
空手道は有酸素運動のため、ランニングやウォーキングと同じ効果を期待できます。
そのため、体を引き締めたい方や、ダイエットしたい方におすすめです。
また、練習では必ず突きや蹴りをするため、ストレス発散になります。
空手のデメリット
速いスピードで力のこもったパンチやキックをくらう可能性が高いため、組手を行うときは恐怖を感じる人もいます。
また、練習中に勢いのある攻撃をくらってしまった場合、打撲や骨折につながることがあります。
柔道のメリット・デメリット
柔道のメリット
柔道は、投げ技があるため必ず「受け身」を身につけます。頭を上げて衝撃を和らげるため、転んだ時などに有効な護身術です。
そして、武道には伝統が受け継がれているため、日本の文化や礼儀を学ぶことができます。
また、柔道の試合は体重の重さ別に細かく分かれており、基底体重を上回ると試合に出られなくなります。目標体重がはっきり決まり、減量を行うモチベーションになるのです。
柔道のデメリット
柔道は人を投げる競技であるため、痛みや衝撃は大きくなりがちです。しかし、「受け身」を身につければ、こうした痛みや衝撃は緩和できるようになります。
また、柔道は、接触が多いスポーツです。靭帯を損傷する可能性も否定はできません。
空手がお勧めな人、柔道がお勧めな人
柔道か空手か迷っている人は、何を基準に選べば良いか悩んでいると思います。
性格と環境が合っているか、お金を払った分だけ身に付くものはあるのかなどの視点から、考えてみましょう。
護身用として選ぶ場合
護身術として技を身に付けたいならば、柔道をお勧めします。不審者に対する護身でも、交通事故での護身でも使えるからです。
まず不審者に対する護身についてです。
柔道は短時間で不審者を制圧できますが、接近しなければいけないため、自分が負傷するリスクがあります。
一方、空手は接近をしないため自己負傷のリスクは避けられますが、制圧に時間がかかります。つまり、不審者に対する護身術としては柔道も空手も一長一短といえるでしょう。
一方、事故に対する護身で考えると、役に立つのは柔道です。
柔道では頭の損傷を防ぎ、衝撃を和らげる「受け身」が身につくため、交通事故にあっても自然に体制が取れ、大きな怪我を回避できる可能性が高くなります。
よって、総合的に考えると「受け身」と「投げ技」を身につけられる柔道がお勧めです。
習い事として面白さを重視する場合
習い事として空手と柔道どちらを面白いと感じるかは、習う人の性格によって違います。
1人で黙々と打ち込む方に面白さを感じる方なら空手道がお勧めです。型の場合は自分1人での個人練習で完結するからです。
一方、周りの人と協力することや、他人と関わることに面白さを感じる方は、柔道を面白いと感じやすいでしょう。
柔道は、投げる人、受ける人がいないと練習が成り立たず、絶対的に相手が必要な競技だからです。
ただ、「楽しいな、面白いな」と感じるポイントは他にもあるはずです。自分の好奇心をくすぐるポイントを探してみてください。
好きな方をやってみよう
ここまで、空手と柔道の違いを詳しく説明してきました。
空手には、体を引き締める効果があり、恐怖を感じる場合があるというメリットとデメリットがあります。
柔道には、護身術として日常生活で使用する頻度が高く、痛みや衝撃が大きいというメリット・デメリットがあります。
そして空手も柔道も日本発祥で、日本文化の素晴らしさを実感することができます。
また、護身術としても技を身につけ、使用することができます。
ちなみに、武道の道着をベランダに干しておくだけで、不法侵入の予防になると言われています。
この文章を読んで、少しでも「気になるな」「自分に向いてそうだな」「こういうところ好きだな」と思った方のスポーツを選んでみてください。
この記事が、皆さんの武道を始めるきっかけになれたら嬉しいです。