日本の武道の種類はいくつある?それぞれの特徴や歴史などを解説!

日本には武術や武道がいくつもあります。そのため、「武術と武道で何が違うのか?」「どの武道を習うのがよいのか?」などの疑問を抱く人もいるでしょう。

このコラムでは、日本における武道の種類とそれぞれの特徴を解説し、武術との違いも説明します。

武道に興味のある人はぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

額田善之

少林寺拳法弐段の有段者。
武道の疑問を解決する記事を書くので、ぜひ参考にしてください。
なお、武道だけでなく、旅行や納豆の記事も執筆中。
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日本の武道の種類について

日本の武道

日本の武道は「古武道」や「武術」に精神鍛錬や人格形成などを盛り込んだ、「現代武道」として再編されています。そのため、古くからあるマイナーな古武道は正式に武道に認定されていないというのが実情です。

このカラムでは、現代武道に認定されている武道について詳細に解説します。

日本の武道の種類は9種類

日本で公式に武道と認められているものは、以下の9種類です(日本武道協議会制定)。

  • 柔道
  • 剣道
  • 弓道
  • 相撲
  • 空手道
  • 合気道
  • 少林寺拳法
  • なぎなた
  • 銃剣道

その他、広義で武道とされる珍しいものもありますが、こちらは関連記事「珍しい武道にはどんなものがある?護身や健康にも役立つ武道なども紹介!」をご覧ください。

日本の武道の定義とは?

日本における武道の定義については、公益財団法人日本武道館により平成26年に、以下のように制定されています。

「武道は、武士道の伝統に由来する日本で体系化された武技の修錬による心技一如の運動文化で、心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、人間形成の道であり、柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道の総称を言う。」

(引用:日本武道館ホームページ「武道の定義」)

武道と武術の違いとは?

武道とは、古武道を含めて武術(柔術や剣術など)が発展したものです。

戦場で相手の命を奪うための「技」「術」を磨く武術に、修行を通じた「人づくり」「人格形成」の要素を加え、発展させたものを武道といいます。

例えば、以下のように武術が武道へ発展したのです。

  • 柔術は柔道へ
  • 剣術は剣道へ

9種類の武道の歴史や特徴を解説

日本武道館

それでは、9種類の武道について以下に解説します。

柔道

柔道は道着を着用し、一対一で素手により格闘する武道。投げ技や締め技、固め技などの技があります。

かの有名な嘉納治五郎(かのうじごろう)氏が、いくつかの流派の柔術をまとめ、自己完成をめざす道として「柔道」とし、1882(明治15)年講道館を設立したのが始まり。

現在、200以上の国が国際柔道連盟に加盟し、世界中に普及しています。

剣道

剣道は面や胴などの剣道具を着用し、竹刀を用いて一対一で打突しあう武道。

剣術の技や心得に加え、修養にも重きを置くために、1912(大正1)年に、西久保弘道氏が「剣道」とすることを主張し、正式に剣道となりました。

西久保弘道氏は武術全般を「武道」にした立役者。

弓道

弓道

弓道は、弓で矢を射り的に当てる武道。弓道衣(白筒袖)と袴、白足袋、ゆがけなどを身に付けて行います。一人でも楽しめるため、老若男女問わず人気です。

1919(大正8)年に弓術から「弓道」となりました。

相撲

相撲は日本の国技であり、その起源は神話時代までさかのぼります。1500年以上の歴史がある日本の伝統文化です。

まわしを締めただけの恰好で一対一の取り組みを行う武道となります。力と技を駆使し、八十二手の決まり手で勝敗を決める人気の武道です。

空手道

空手道は道着を着用し、「組手」「型」の試合をする武道です。

組手では、拳や蹴りを当てるフルコンタクトのルールや打撃を当てずに寸止め(極め)するルールなどで試合をします。

型の試合は技の正確性を競います。

所属団体によって細かくルールが異なるため、自分の希望に応じた道場に入門しましょう。

空手は沖縄で受け継がれてきた護身術がルーツとされますが、諸説あります。

合気道

合気道は相手の攻撃を特有の動作でさばき、投げまたは抑える護身術です。

勝ち負けを争わないため、試合や競技はありません。交流会で、技の習熟度を披露する場があるだけです。1942(昭和17)年に合気道となりました。

少林寺拳法

少林寺拳法

少林寺拳法は、相手の攻撃を受けてから反撃する護身術を基本とした武道です。

戦後の日本を立て直そうと、宗道臣氏が香川で興しました。

勝ち負けを争うのではなく、あくまでも「人づくりの行」として修行する現代武道です。

現代武道の中では、特に「人格形成に重きを置く」という点が大きな特徴になります。

少林寺拳法について詳しく知りたい人は、以下の関連記事をご覧ください。

【少林寺拳法の発祥】誰が何のために立ち上げたのか?あゆみと展望も徹底解説!

少林寺拳法とは?あなたの疑問に有段者の元拳士が分かりやすく解説します!

なぎなた

なぎなたは、白の稽古着に紺の乗馬袴を着用して競技を行う武道です。

歩兵の主要な武器だった薙刀の技術が発展し、現代では護身術と人材育成のための武道になりました。

銃剣道

銃剣

銃剣道は、フランス式銃剣道に槍術の「突き技」の技法を取り入れ発展した現代武道です。

試合では木銃(もくじゅう)を使い、相手の喉や胸などへの「突き技」を競います。

小学5年生以上の試合では、剣道の防具に似た、面や胴などを身に着けて行うルールです。

武道を習うメリット

礼儀作法

武道を習うと以下のようなメリットがあります。老若男女問わず、人生にとても有益です。

  • 身体も心も鍛えられる
  • 集中力や忍耐力が身につく
  • 礼儀作法や思いやりが身につく

身体も心も鍛えられる

武道の修行では、身体だけでなく、精神面も鍛えることができます。

反復訓練や厳しい練習を通して昇級試験に受かるなどの経験により、苦しくてもやり遂げられるという自信がつくのです。

集中力や忍耐力が身につく

武道の修行では、相手の攻撃に対する受けや体さばきの後、反撃を行うのが一般的です。相手の攻撃を察知するためには、集中力が必要となります。

また、苦しい修行に耐えて、技を習得するためには集中と忍耐も必要です。修行を通して、集中力や忍耐力が身につきます。

礼儀作法や思いやりが身につく

武道の精神には、「礼で始まり礼で終わる」「相手を敬う」という大前提があります。そのため、日々のあいさつや目上の人への敬意、目下の人への配慮などが大切です。

武道の修行を通じて礼儀作法や思いやりが身につきます。

自分に合う武道を始めましょう

武道

武道には、空手や剣道のように試合で勝ち負けを競うものや合気道や少林寺拳法のように優劣を競わないものもあります。

優しい性格の人は昇級や昇段のために人を争って勝つ必要がある武道は向いていません。

自分や家族の安全を守るための護身術を学ぶほうが向いているでしょう。

自己確立をするのであれば、自分の性格や考えに合う武道を選ぶことが継続するためにもおすすめです。

武道・道場ナビで自分に合う道場を探してみてはいかがでしょうか?

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