空手道の組み手について徹底解説!最新のルールも空手経験者が紹介!

武道の中でも最も格闘技の実践要素が強い空手の組み手。

素早い身のこなし、互いの攻防はとても見ごたえがありますよね。

組み手は観て楽しいだけでなく、実践するスポーツとしても人気が高いです。

しかし、連盟によってルールに違いがあったりとわかりにくい部分も少なくありません。

そこでこの記事では空手の組み手のルールについて詳しく解説していきます。

2023年に変更された、国内の試合についての変更点に関しても紹介していますので参考にしてみてください。

この記事を書いた人

kazu

空手道・糸東流糸洲会有段者、好きな型はバッサイダイです。
現在はボクシングに取り組んでおり、自分の経験を踏まえた武道や格闘技に関する情報を発信。
その他にも英語学習や美術に関する記事も制作しています。

空手の組み手の魅力

空手の組み手は実際に相手にダメージをあたえずにできるため、幅広い年齢層の方が楽しむことができるのが大きな特徴。

「格闘技を習ってみたいけどケガが怖い」

このような心配がある方も安心して取り組むことができるのが魅力的なポイントです。

その一方で流派ごとにルールの違いがあるなど、未経験者にとってはわかりづらいと感じる部分も。

詳しいルールを理解しておくことで、組み手の魅力をもっと楽しめるようになりますよ。

空手の組み手の2つの種類

ルールを確認する前に知っておきたいのが組み手の種類。

組み手には「寸止めルール」を採用している場合と、相手に直接攻撃を当てる「フルコンタクト」の2種類があります。

フルコンタクトでは相手の胴体や、足への攻撃が可能でノックダウン決着もあります。

寸止めルールにおいては、相手にダメージが残るような攻撃は反則の対象です。

特徴寸止めルールフルコンタクトルール
攻撃の許可打撃は軽く接触または寸止めフルコンタクトで打撃可能
ポイントシステム有効打でポイント獲得ノックアウトや圧倒で勝利
防具の使用軽度の防具(例:ヘッドギア)ヘッドギア、胴プロテクターなど必要な場合も
試合の目的技の正確さとスピードを競う力強さと実戦的な技術を競う
主要な団体・流派日本の伝統的空手競技極真空手やK-1など

この2つの違いは流派の違いによるもので、どちらのルールを採用しているかは大会を運営する団体によって異なります。

基本的に伝統派空手では「寸止めルール」が、極真会館などが運営する試合では「フルコンタクト」を採用されています。

個人的にはフルコンタクト空手は見た目以上に身体へのダメージが大きいと感じました。

流派ごとの詳しい違いに関しては、下記の記事も参照してみてください。

空手の組み手のルールを解説

組み手のルールは上述した点以外にも、採点方法などに団体ごとの違いがあります。

以下の表は代表的な流派や団体ごとのルールをまとめたものです。

全日本空手道連盟(WKF)日本空手協会(JKA)極真会館
得点方法– 1点:ボディへの突き技- 2点:中段への蹴り- 3点:頭部への蹴り、もしくは倒した後の即座の突き– 有効:突きや蹴りで部分的に効果がある- 技あり:有効な技が二度– 技あり:優勢な打撃で一時的に相手を制した場合- 一本:決定的な打撃
攻撃対象頭部、顔面、胴体、背面(許可された範囲)頭部、顔面、胴体、背面(許可された範囲)頭部(顔面への打撃は禁止)、胴体、脚部
防具グローブ、シンガード、マウスガード他最小限(伝統的には防具なし)防具なし(ただし、女子は胸部プロテクター使用可能)
反則残心のない攻撃、顔面への過剰な接触、逃避行為、試合の妨害などによる警告または減点掴みや投げの使用、過剰な接触、禁止区域への攻撃などによる減点・警告顔面への攻撃、投げ技、サポートなしでの寝技、その他安全を脅かす行為など
勝敗基準ポイントの合計、3点差によるコールド勝ちが可能一本を取ることで勝利(技の精確さ、勢い、その他の要素)一本または技あり2つで勝利、判定では技の正確さや気迫が考慮される

競技は8m四方の四角形の中で行われます。

主審1名に対して副審が4名おり、それぞれの判断を総合してポイントが決定されるルールです。

全日本空手道連盟の場合は反則4つで退場、日本空手協会の場合には3つで退場となります。

ノーガードや相手を挑発する行為など、武道精神に反する行為も反則の対象です。

2023年からの新ルールとは

競技人口が最も多い全日本空手道連盟が、2023年に国内の試合ルールに関する変更を発表しました。

このルール変更に伴い以下のような点が変更されたので確認しておきましょう。

倒れた相手への攻撃の評価

旧ルールでは足払いなどによって倒れた相手への攻撃のみ、一本扱いになり3点扱いの攻撃でした。

しかし新ルールにおいては、足以外の部分が地面についている状態の相手への攻撃は全て一本となるようです。

完全に倒れきっていなくても一本扱いになるので、低い体勢での攻撃へのカウンターなどが一本扱いとなる可能性があります。

反則に関する基準

旧ルールでは反則は危険度に応じてカテゴリー分けがされており、判定時にカテゴリーに応じた減点を加味して勝敗が決まっていました。

しかし、新ルールではこのカテゴリー分けが一部廃止されます。

また反則は主審が提起して副審と協議して決定されていましたが、これからは主審の判断に一任されるようです。

副審の判定

これまでは副審の判断が分かれた場合には、低い方の点数が採用されていました。

しかし、今後は同じ色に対して副審が異なる判断をした場合には、高い点数が採用されるようです。

また終了時に同点かつ先取(先に有効打を与えること)がない場合には、副審4名が協議して勝ち負けを決めます。

空手の組み手のコツを解説

組み手のルールなどがわかったところで、実際に取り組む場合のコツを紹介していきます。

はじめは誰でも難しいと感じるものですが、コツをおさえて丁寧に練習すれば短期間で上達できるでしょう。

基礎を徹底強化する

組み手は基礎となる「構え」や「ステップワーク」が非常に重要です。

構えが崩れないように移動する練習は、蹴りや突きに比べてとても地味ですよね。

しかし、この基礎の部分がしっかりとしていない状態で先に進んでも、実践で成果をあげるのは難しいです。

間合いを知る

基礎練習は一人でもできますが、対人で練習したい重要なポイントが間合いの取り方。

自分の蹴りや突きがどの位置からなら相手に当てられるのかを、相手と対峙した時にしっかりと把握できる能力が必要です。

これができないと相手の間合いに入り込んでしまい、一方的に攻撃されてしまう可能性もある重要な要素です。

試合を沢山観る

技の引き出しを増やしたり、間合いを見切る能力を向上させるには試合を沢山みるのもおすすめです。

youtubeなどの動画プラットフォームでは、世界レベルの選手同士の試合が沢山アップされているので見てみましょう。

また道場の先輩の試合を近くでみるのも非常に勉強になります。

空手の組み手は安全で楽しいスポーツ

組み手は型よりも実践的で、格闘技要素の強い競技です。

より実践的な武道を学びたいという思いから空手を始められる方も少なくありません。

組み手は実践的な格闘技でありながら、ボクシングや柔道、キックボクシングよりも身体への直接的なダメージが少ないのが特徴です。

そのため性別や年齢関係なく始めやすいので、気になるかたはお近くの道場で体験レッスンなどを受けてみてください。

この記事で紹介したルールの違いなども参考にしながら、道場や流派を選んでいただけますと幸いです。

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