子供の習い事として人気の高い武道。
中でも空手は競技人口も多く、大会などの機会にも恵まれやすい競技です。
その一方でケガのリスクや保護者の役割について事前に知っておかないと、想像よりも大変な点も少なくありません。
この記事では空手を習い事にするメリットや、事前に知っておきたいポイントを詳しく解説していきます。
この記事を書いた人
空手道・糸東流糸洲会有段者、好きな型はバッサイダイです。
現在はボクシングに取り組んでおり、自分の経験を踏まえた武道や格闘技に関する情報を発信。
その他にも英語学習や美術に関する記事も制作しています。
子供の習い事に空手を選ぶメリットとは
せっかく習い事をするなら、大人になった時に良い習慣がつくような習い事をしてほしいですよね。
習い事は単に何か技能を習得するだけでなく、社会性を身につけられる重要な経験にもなります。
習い事として空手を選ぶのには、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか。
幼少期から運動の習慣を身につけることができる
幼少期の運動習慣は、成長した後にも大きな影響を示すという結果が発表されています。(参照:スポーツ庁)
近年は慢性的な運動不足による生活習慣病なども社会的な問題として注目を集めています。
小さい頃から運動習慣をつけるために習い事をしておくのには、大きなメリットがあると言えるでしょう。
参照:スポーツ庁
空手は比較的小さい年の子供でも受け入れている道場が多くあると同時に、年齢を重ねてからも続けやすいスポーツです。
そのような特性から生涯続けられるというのも、空手の魅力と言えるでしょう。
礼儀作法や武道の精神性を学ぶことができる
相手を尊重する気持ちや、目上の存在に対する礼儀作法が競技において重視されています。
道場に入るさいの挨拶や、相手選手への挨拶が習慣化することで、どんな相手に対してもしっかりと挨拶できる習慣が身につきます。
私も空手道場で挨拶をする経験から、部屋の入退出のさいにお辞儀をする習慣がつきました。
個人での成長を目指すことができる
チームスポーツとは異なり、空手は自分を高めることを目的とした武道。
特に型の競技は自分がいかに美しい演舞ができるかが重要となるため、自分自信の能力をいかに高めるかが重要なポイントです。
自分の苦手を克服して自己成長を目指すことで、学校の勉強などでも自発的に向上心を持って取り組むような習慣を身につけやすいのも特徴でしょう。
空手を習い事にする際に気を付けるべきポイント
次に空手を習い事にする場合に気を付けておきたいポイントを確認しておきましょう。
知らないと、習い始めてから大変な思いをしてしまう可能性も。
マイナスな面も知ったうえで空手を習い事に選ぶかどうか判断してみてください。
ケガのリスクは武道にはつきもの
他の格闘技と比較して空手は決して、ケガのリスクが高いスポーツではありません。
しかし、練習中や試合のさいにはケガをしてしまうリスクは常についてまわるもの。
組手では自分がケガをしてしまうリスクはもちろん、相手にケガをさせてしまう可能性もあります。
そのためスポーツ保険などにはできるだけ加入しておきましょう。
伝統派空手よりもフルコンタクト空手の方がケガのリスクは高いため、目的に応じた道場選びが欠かせません。
フルコンタクトや伝統派といった空手の流派に関しては、下記の記事で詳しく解説していますのでこちらも参考にしてみてください。
保護者の役割を確認
子供が習い事をするさいに必ず確認をしておきたいのが、保護者の役割です。
サッカーなどのスポーツと比較すると、地域に密着した大会などが少ない武道では、遠方まで遠征して大会に出たりするケースもしばしば。
そのさいに保護者が車を出して送迎する必要が出てくることも少なくありません。
他県への遠征などを頻繫に行う道場だと、このような保護者の協力は必要不可欠です。
あまりにも頻繫にこのような役割を担うことになると、仕事などに影響が出てしまうケースもあります。
そのため道場で遠方の試合などに出る場合にはどのように対応しているのかなど、事前に確認しておくのがおすすめです。
道場を選ぶさいのポイント
最後に習い事として始めてる場合の道場探しのポイントをご紹介いたします。
子どもの習い事として始める場合には通いやすさはもちろん、目的に合わせた道場選びが重要です。
ここからは始める前に確認しておきたい3つの点について詳しくみていきましょう。
組手と型どちらを重視しているか
前述した通り、空手にはフルコンタクトと伝統派という流派の区分が存在します。
フルコンタクト空手では伝統派よりも組手を重視している傾向にあります。
また伝統派の道場でも選手の在籍状態や、指導者の方向性によって組手重視の道場か型重視の道場かの傾向が顕著に現れてくるもの。
まずは型を中心に習わせたいと思っても、道場の方針が異なるとなかなか難しいのが現実です。
そこで、事前に見学などでどちらを重視した練習が多いのか確認しておくとよいでしょう。
私の所属していた道場も元々は型がメインでしたが、大会で結果をだす選手が増えてくることで組手メインに移行して行きました。
月謝や対象年齢
道場の基本的なシステムや方針も事前に確認しておきたいポイントです。
最初に月謝の金額を確認しておきましょう。
一般的に道場の月謝の相場は3,000円~8,000円程度となっています。
この他に道着の代金(10,000円程度)や大会参加費として4,000円前後が必要です。
子どもの習い事として始める場合には、道場の対象年齢も必ず確認しておきたいポイント。
空手は比較的小さい子供でも始めやすく、対象年齢を3歳からなどとしている場合も少なくありません。
その一方で小学生以上という年齢制限を設けているケースもあるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
指導者の数や方針
先述した通り道場が組手と型どちらを重視しているかによって、練習の内容などは大きく変わります。
それ以外にも受講者同士が積極的に教え合っていくようなスタイルを採用している道場もあれば、師範や先生方が基本的には教えるスタンスの道場も。
指導方法はもちろんですが、受講生に対して指導者の数が十分確保できているのかも確認しておきたい点です。
特に10代の子どもに対して指導者の数が少ないと、なかなか指導が行き届かないもの。
しっかりと指導してもらえないと、せっかく習っても結果に結びつかず辞めてしまう原因にもなりかねません。
まとめ
この記事では空手を習い事にするメリットや注意点を詳しく解説してきました。
空手は運動習慣を身につけると同時に、礼儀や他の人との良好な関係を築くために必要な社会性を身につけられる武道です。
柔道などと比べてケガのリスクも少なく、護身術を身につけることもできるので注目している方も多いのではないでしょうか。
また年齢を重ねても続けられるため、世界中で広く愛されている武道です。
その一方で保護者の視点からは注意しておきたいポイントもあるので、それらの点を踏まえた道場選びをしてみてください。
ホームページなどを見ただけではイメージしづらい部分もあるので、まずはお近くの道場に足を運んでみることをおすすめします。