全国で活躍している道場を紹介する「道場紀行」
今回、ご紹介するのは横浜市で活動する硬式空手道場の浜風会 はまっこ道場です。
道場について
この度は取材にご協力いただきありがとうございます。
早速ですが浜風会 はまっこ道場様で習うことができる硬式空手道について教えてください。
こちらこそこの様な機会を頂きありがとうございます。
硬式空手道は防具を付けて直接打撃をすることが特徴の空手です。防具をつけて試合を行うため、大きな怪我が軽減され、幼児からシニアまで幅広い年齢層でできる空手です。
また技が決まった際に防具に迫力ある打撃音がするため、観ている人たちにとっても分かりやすい空手となっています。
又、最近では型の大会も開かれるようになってまいりました。
当道場は、現存する硬式空手道の二団体「NPO法人世界硬式空手道連盟(WKKF)」及び「一般社団法人 全日本硬式空手道連盟」と「一般社団法人 全日本総合武道連盟」に加盟しております。
防具を付けて直接打撃が認められているのはいわゆる伝統派空手やフルコンタクト空手には見られない特徴ですね。
続いて、浜風会 はまっこ道場の特長を教えてください。
地域の青少年育成ボランティアとして運営しており、小学生とその保護者の方々が大半を占めています。その中でも受け入れが難しいとされる幼児を受け入れていることが特長です。
幼児はトイレや防具の脱着など一人ではできないことが多いのも事実ですが、それ以上に、硬式空手道を通して成長する姿を保護者の方々と一緒に見て行きたいという想いから受け入れています。
また、稽古は少年部・一般部のようにクラスを時間で分けずに、全世代が同じ時間に一緒に稽古をして、同じ空間を共有しています。
そのため、稽古中には世代を超えた交流が生まれて子供、大人の双方にとって良い影響が出ていると感じてます。
確かに幼児を受け入れるのは大変という声は他の道場からもよく聞きます。
実際に指導の時に大変なことはないですか?
当道場ではママ道場生が多く在籍していて、自発的に幼児のお世話をしてくれています。
そのような道場生の協力もあり、幼児たちもしっかりと稽古をすることができています。
ママ道場生たちの存在は大きいですね。
続いて、道場を開いたきっかけを教えてください。
出身地の平塚市で長年、道場長として指導していましたが、息子の受験も重なったほか、道場への移動時間等もあり、居住地の横浜で稽古をすることにしました。
道場を開いた当初から息子にも指導に携わってもらい、今も親子で指導をしています。
指導者について
親子で指導ができるのはとても幸せな事ですね。
角田代表が空手を始めたきっかけを教えてください。
中学1年生の時に同級生から因縁をつけられ、塾の休み時間に廊下に呼び出され、複数人に囲まれて殴られて帰った時に、学生空手和道流二段の父より勧められたことがきっかけです。
当時は気持ちが弱くて、小学校6年間剣道などを経験していましたがイマイチでした。
そんな時、私の弟が習っていた平塚の硬式空手道の道場に入りました。
そこで出会った空手はとても楽しくて続けることができました。
また、その道場の師匠である会長、理事長が人間味あふれる素晴らしい人であり、ご自身のお子さん以上に私を可愛がって下さったことも続けられた理由の一つです。
子供の頃に良い道場や良い師匠に巡り合えたことが今の角田代表を形作っているのですね。
角田代表の主な戦績や経歴を教えてください。
全日本硬式空手道選手権大会4度入賞
全日本グランドチャンピオン大会3位
全日本大会4団体マスターズ優勝 他
世界硬式空手道連盟国際公認錬士六段
などです。
特に全日本グランドチャンピオン大会は各大会の入賞者のみが出場するレベルの高い大会で、当時は2000年のシドニーオリンピックの公開種目の候補ということもあり、テレビ放映されるなど注目度も高かったです。
大会に出たのは20年以上も前ですが、今でもコートに立った時の風景、テレビ撮影の眩しかった照明を鮮明に覚えています。
また、日本硬式空手道平塚大会も印象に残っている大会の一つです。
この大会では、前年の全日本大会一般有段重量級で優勝した憧れの方と決勝戦で当たり、それまでなかなか勝てなかったのですが、初めて一般有段の部で優勝することができました。この試合は私の空手人生の中でも大きなターニングポイントになりました。
20年前の風景が鮮明に残るとはよほど、印象的な大会だったのですね。
その他の大会などの選手としての素晴らしい実績が今の指導にも活かされているものと思います。
現在は大会にはどのような形で携わっているのですか?
47歳まで指導の傍ら、現役選手として出場しておりました。その後は審判や運営側をしております。審判は全国A級ライセンス取得挑戦がいよいよ来年となります。運営としての初の試みとして昨年11月に道場内での第1回浜風会大会を開催しました。この大会は50名ほどの会員が参加し、勝っても負けても全員に賞状、メダル、参加賞を渡すなど、工夫を凝らしました。
道場での指導について
ご自身で大会も開催されるなど、角田代表の硬式空手道を普及させたい想いが伝わります。
続いて、道場で子供を指導する時に大切にしていることを教えてください。
常にその子が感じている心を読み取り、同じ目線で話をすることです。特に幼児は気を付けて見るようにしています。
また、日によってモチベーションが違うことは当たり前ですが、道場訓である「継続する心」を大切にしていただきたいので、子供たちが厳しい中にも楽しく続けられる「小さな成功体験」ができること、褒めること=認めることを意識して指導しています。また、継続することで「強く、正しく、優しい人」になって欲しいと思っております。この先、社会に揉まれて苦難に立った時、この空手が活きてくれると思います。私自身39年間やってきてこの空手が私を幾度となく救ってくれました。
子供の指導は大人と違い、難しいことが多いと思いますが、継続する心を養うために工夫されていることが伝わります。
はまっこ道場は子供と大人の割合はどれくらいですか?
約7割が小学生以下の子どもたちです。また、親子で通っている道場生も多いです。
先ほど、お話ししたママ道場生がとても活躍してくれています。
今後、ママ道場生の中から黒帯、そして指導者が出てくれることを楽しみにしています。
もちろんパパ道場生もです!(笑)
ママ道場生は地域とのつながりもありますし、今後、活躍の場が増えそうですね。
続いて大人を指導する時に心掛けていることを教えてください。
大人の道場生は、仕事や家事、育児でお忙しい中、頑張って稽古を続けています。また、試合に積極的に出たい方や型をメインに習いたい方などそれぞれ目標が異なっています。
その目標をしっかりと会話を通して汲み取り、それに沿った指導をするようにしています。
今後の道場の展望
今後の道場の展望について教えてください。
現在のはまっこ道場から、指導者を育て、一人でも多くの地域の方に私が一生涯やってきた硬式空手道を知ってもらいたいです。
そして、何より私自身の人間性を磨き続け、私についてきて下さる後継者を育てることを目標にしています。
読者へ一言
ありがとうございます。
それでは、最後に記事を読まれる方へ一言お願いします。
はまっこ道場はアットホームで、非常に人間関係が良く、皆で助け合える道場です。また、女性道場生も多く、空手を初めて習う人にとって、敷居が低くなっている反面、全日本大会で入賞する選手も育ってきており、オンオフがしっかりした道場と自負しております。
少しでも興味がありましたら是非、一度、体験にお越しください。
本日はありがとうございました。
改めましてこの度は取材にご協力いただきありがとうございました。
はまっこ道場は現在、横浜市で活動されています。
体験や見学はいつでも受け付けているとのことですので、少しでもご興味のある方は道場を訪れてみてください。
※お問い合わせの際は「武道道場ナビを見た」とお伝え頂くとスムーズです。
この記事を書いた人
- 武道・道場ナビの管理人
- 道場専門のコンサルタント、ウェブ解析士
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- 道場専門のHP制作サービス(WEB道場)運営
- 自身も武道有段者として現在も道場で指導を行う
- 前職は財務省税関で広報や政府開発援助に携わる
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