全国で活躍している道場を紹介する「道場紀行」
今回、ご紹介するのは滋賀県栗東市で活動する剛柔流空手道の日本剛柔流空手道 聖喜館です。
道場について
この度は取材にご協力いただきありがとうございます。
早速ですが聖喜館で習うことができる武道について教えてください。
こちらこそありがとうございます。
聖喜館で教えている武道は空手道です。
また、空手道の中でも伝統派空手に分類され、流派は剛柔流空手となります。
剛柔流とは、中国南派少林拳の流れを汲む那覇手の代表的な空手道の流派の一つで、沖縄三大流派(剛柔流、上地流、小林流)の一つでもあり、また、松濤館流、糸東流、和道流と並び日本本土における空手道四大流派の一つとされています。
伝統派空手の四大流派の中でも、剛柔流の特徴は接近戦を得意とし、金的を防護するための猫足立ちの構えや、 円の動きによる防御、スナップや「ムチミ」と呼ばれる粘りのある動きが多いことも特徴です。
また、「息吹」と称される独特の呼吸法(腹式呼吸)によって、身体を内面から鍛える方法があり、「三戦」、「転掌」によって実践稽古します。
ありがとうございます。
続いて聖喜館の特徴について教えてください。
聖喜館は大きく分けて4つの特徴があります。
1つ目は女の子が多く、温かみのある道場というものです。
聖喜館の道場生は3割以上が女の子です。
凛とした立ち振る舞いもかっこいい女の子たち、実は男の子たちよりも強いのでは・・・と思うこともあります。
また、女の子が多いので、明るく温かく優しい雰囲気の道場です。
そして、小さな子たちの面倒もみてくれますので、小さな子たちもすぐに打ち解けて稽古に通うことができます。
さらに、各種大会でも優秀な成績を残しており、滋賀県代表選手として活躍する選手が多数在籍しています!
2つ目の特徴は園児からでも大歓迎というものです。
空手の稽古を通じて、挨拶や返事、相手の話をきちんと聞いて行動できるようになったり、小学校入学前に集団行動の基本的なマナーや礼儀作法を学べます。
その他、同じ年齢くらいのお友達以外にも、いろいろな年齢のお兄ちゃん、お姉ちゃんと関わることで様々な良い刺激をうけて成長できます!
もちろん、身体を動かす楽しさや基礎体力や運動能力も稽古から身につけることができます。
3つ目の特徴は生涯スポーツとして気軽にはじめられる道場というものです。
子供たちと一緒に空手を始めるお父さん、お母さんも多く、生涯スポーツとして空手を楽しむ方が増えています!
毎日健康に過ごしたい、仕事のストレスを発散したい、護身術を身につけたい、など目的は様々ですが、みなさん明るく楽しく稽古されています!
その他にも現在、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ペルーなどの稽古生が在籍しており、国際色豊かなのも特徴です。
最後の4つ目はトップクラスの選手育成ができる道場というものです。
滋賀県を代表する選手の育成にも力を入れ、国体、インターハイ出場選手を多く輩出しています!
また、2025年びわこ国体優勝に向けての滋賀県選手強化チーム「レイクファイターズ」プロジェクトの選手強化コーチに就任し、道場の選手育成のみならず、滋賀県チームの選手育成にも携わっています。
女子が多いのは他の道場にない特徴ですね。
また、来年地元滋賀で開催されるびわこ国体に携われているのもこれまで地域に根差して活動されてきた聖喜館の姿勢が表れていると思います。
続いて聖喜館の沿革について教えてください。
私の父(館長)が、1983年(昭和58)5月7日に日本正剛館空手道士会(多田正剛氏により創設)の支部道場として道場を設立してから、現在40年が経ちました。
その40年の間に、2011年5月1日、日本剛柔流空手道聖喜館として独立し、道場生にも恵まれて、現在12周年を迎えることができました。
ありがとうございます。
続いて山本主席師範が武道を始めたきっかけを教えてください。
指導者について
父が空手道場をやっていたこともあり、幼少期より自然に空手道を始めました。
ただ、私自身は父の道場ではなく、父の空手仲間の道場へ通いました。理由としては、身内だと指導する側も、指導される側も、他の稽古生の手前、厳しさや甘えなど精神的な大変さがあるという理由でした。その甲斐もあり、父とは別の良い指導者や良い先輩に恵まれて、しっかりとした基本や形・組手を学ぶことができて、今の自分があると思います。
今となってはとても感謝しています。
あえて、お父様の道場に通われなかったことで、多くの経験をすることができたのですね。
山本主席師範の主な戦績や経歴を教えてください。
幼少期は、多田正剛先生が創設された日本正剛館空手道士会に所属してましたので、その会派の大会で、幼稚園から中学生まで、形・組手ともに優勝した経験があります。
中学、高校、大学1年まではバスケットボールに転向してましたので、大会出場はなく、大学2年より復帰し3年連続で滋賀県空手道選手権大会で優勝し、国民体育大会へ滋賀県代表として出場しました。
その後は、父とともに道場運営や指導をおこない、選手育成に専念し、全少、全中、インターハイ、国体、全日本大会などに出場する選手を多数輩出しています。
2009年より滋賀県空手道連盟の選手強化委員として、自身の道場以外にも滋賀県の選手育成にも携わり、2011年から2021年まで10年間、選手強化副委員長として選手育成に尽力し、滋賀県選手団の監督コーチとして各種大会にも帯同しました。その後2022年からは2025年滋賀国体に向けて、滋賀県空手道連盟の審判委員長として選手育成のみならず、審判員育成にも尽力しています。
現在は、全空連6段、3級資格審査員資格、全国組手・全国形審判員資格、日体協空手道コーチ4資格などを取得し、活動の輪を広げています。
なお、手前味噌にはなりますが、これらの資格を持つ指導者の中では滋賀県で最年少になります。
選手としての活躍だけでなく、後人の育成のために滋賀県空手道連盟など、道場の枠を超えた舞台で活躍されているのですね。
続いて、道場で指導する際に大切にしていることを教えてください。
世の中と社会の根本はやはり、「人と人、心と心の繋がりが大切」だと考えます。
そして、空手道は、正しい技術を修錬する過程で、「心技体」が鍛錬され、人間性が成長してゆき、様々な社会で貢献できる「人」が育つのだと考えます。
よって、聖喜館は、「一期一会」・「一味同心」・「一視同仁」を大切に空手道を通じて、全ての道場生の生活が、心身共に豊かなものになるよう、空手道の技術だけでなく、空や海のように広く、深く、そして大きな心を兼ね備えた「人」の育成を目指して指導しています。
また、勿論のことですが、稽古生の熱意やニーズに100%で応え、家庭や学校や職場以外の第3の居場所となるよう、アットホームな温かい道場であることを、とても大切にしています。
今後の展望
道場が第3の居場所になるというのは、孤独になりがちな現代社会ではとても大切な考え方だと思います。
今後の道場の展望についてお聞かせください。
今後は、空手道を通じて、聖喜館Familyを100名、200名、300名と増やすほか、道場の数も増やして、益々発展していきたいと思います。
そして、聖喜館Family全員が、空手道で培った「礼に始まり礼に終わる」という武道精神や、聖喜館で培った「智・仁・勇」の三徳精神で、幸せな人生を歩む「良き仲間」となれればと思います。
聖喜館Familyが滋賀県、日本、世界へと様々な分野で社会へ貢献していけるような道場にしていきたいと思います。
また、私自身も「一生涯武道人」として日々修錬し、空手道を通じて、他人から信頼され、尊敬されるような人間を目指して、努力していきたいと思います。
読者に一言
ありがとうございます。
最後にこの記事を読まれている方へ一言お願いします。
「礼儀作法を身につけたい」「健康のためにやりたい」「何か新しい事をやりたい」「自分に自信をつけたい」「護身として強くなりたい」など、きっかけは何でもOKです。
聖喜館は、年齢や性別、国籍などを問わず、誰でも親しめるアットホームな道場ですので、それぞれの目的に合わせて、それぞれのペースで頑張れます!
「親切・丁寧・明るく楽しく元気に」指導しますので、空手道を通して一緒に汗を流し、楽しい人生を一緒に歩みましょう。
さぁ、始めましょう!その一歩で人生が変わります!
是非、一度見学体験に来てください!
お待ちしております。
改めましてこの度は取材にご協力いただきありがとうございました。
聖喜館は現在、滋賀県栗東市で活動されています。
体験や見学はいつでも受け付けているとのことですので、少しでもご興味のある方は道場を訪れてみてください。
※お問い合わせの際は「武道道場ナビを見た」とお伝え頂くとスムーズです。
この記事を書いた人
- 武道・道場ナビの管理人
- 道場専門のコンサルタント、ウェブ解析士
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- 道場専門のHP制作サービス(WEB道場)運営
- 自身も武道有段者として現在も道場で指導を行う
- 前職は財務省税関で広報や政府開発援助に携わる
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